「 も う お ま い ら が 消 え な い な ら 
 
           漏 れ が 消 え る か ら !
 」
 
                         (C) ひよこ
 
などと、日記リンクのひよこさんが鳴きながらそう仰られるので
 
    その御心を鎮めんがために以下のような話をしてあげました。
 
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 あるところに
 
 自分の運命に気付いてしまったにわとりがいました。
 
 「おれたちなんて 
 
    くび しめられて とりがらに されちまう
 
                そんな うんめい なんだぜ」
 
 にわとりは毎日毎日、仲間たちにそう吹聴して回りました。
 
 繰り返し語られるその言葉はやがて
 
 仲間たちの間にさざなみのような不安を起こしていきました。
 
 ある日のこと
 
 いつものように朝目覚めてみると
 
 仲間たちがぐったりしたまま
 
 なかなか起き上がってきません。
 
 「どうしたんだよ みんな
 
   はやくおきないと しいくがかりに どやされるぞ」
 
 仲間の一人がいいました。
 
 「だっておまえ いったじゃないか
 
   もうすぐしんでしまうなら 
 
     はやいか おそいかの ちがいだけだろう?
 
    いまさら しいくがかりが なんだっていうんだ
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「この くされ にわとりが!!!!!!!!
 
 
 
 にわとりはその仲間の態度に大いに怒りました。
 
 その仲間を怒りに任せて張り倒したときに
 
 勢い余ってその首をへし折ってしまいました
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 自責の念に駆られたにわとりは
 
 仲間の魂を弔う旅に出ることにしました。
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 にわとりは旅先で
 
 たいそう美しいキジ(メス・3歳)に出会いました。
 
 二人は瞬間見つめ合い
 
 そしてそのまま恋に落ちました。
 
 
 
 甘いひとときを終えて
 
 心地よいけだるさに浸っているにわとりに向かって
 
 キジはこういいました。
 
 「こんなに しげきてきな ひとときは はじめて
 
   こんなの うちのだんな とも いままで なかったわ」
 
 なんとキジは人妻だったのです。
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「この あばずれ が!!!!!!!!
 
 
 
 にわとりはそのキジの言動に大いに憤慨し、傷つきました。
 
 そのキジを怒りに任せて張り倒したときに
 
 勢い余ってその首をへし折ってしまいました
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 にわとりは深い悲しみを胸に抱いたまま
 
 流れ流れて山の奥深くへと辿り着きました。
 
 そこで超然とした光を瞳にたたえた
 
 シロフクロウと出会いました。
 
 にわとりはその瞳の深さに引き込まれ
 
 シロフクロウのもとで精神を鍛錬することにしました。
 
 
 そして、月日が流れました。
 
 
 普段は無口なシロフクロウが
 
 珍しく口を開いてこう言いました。
 
 「あのさぁ、にわとりさぁ
 
   街行ってさぁ
 
      マルボロ買ってきてくんない?
 
    やっぱ、あの味が恋しくて忘れられんわ…」
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「この あめりか かぶれ の ぞくぶつ が!!!!
 
 にわとりはシロフクロウの発言に激しく幻滅しました。
 
 シロフクロウを怒りに任せて張り倒したときに
 
 勢い余ってその首をへし折ってしまいました
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 
 
 
  
 
 
 
 
 信じるものを全て失い
 
 しばし呆然と佇んでいたにわとりは
 
 不図、あることに気がつきました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 「おれ とりがら に なってない よね
 
 
 
 
 
 そうして彼は余生を静かに暮らしましたとさ。
 
 めでたしめでたし。
 
  
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 話し終わるとひよこさんは
 
 「悩んでたのが馬鹿馬鹿しくなってきました
                  ありがとうおやすみ」
 
 といってオフラインの闇の向こうに消えていきました。
 
 …俺ナニか悪いこと言ったか?

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