小さい頃によく砂場でたからさがしゲームをした。
皆で持ち寄ったおもちゃなどをあらかじめ砂場に埋めておいて
一斉に探し始めるのだ。
掘り当てたものが自分のものになるわけでもないのに
必死に辺りをほじくりかえしていたっけか。
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夏目漱石の夢十夜、第6夜だったか。
運慶が護国寺で仁王を彫っているのを見物する話がある。
その中で同じく見物していたオトコが
「あれは木の中に元々埋まっているのを彫り出しているのだ」
と評するのだが、世の中などそんなものなのかもしれない。
しかし、埋まっているものを最初に見つけ出す力というものは
並では身に付けられないとも思う。
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何かを書こうとしてエディタなどに向かっていると、
ある一点を境に文章を書く手が鈍ってくることがある。
まてよ
これはひょっとして誰かが以前どこかで同じようなことを
書いていたのではなかろうか
といった念に囚われるのだ。
俺はただ自分だけの発見をしたような気分になって
他の人があらかじめ発見してしまっていたものを
新たに掘り起こしているだけなのではなかろうか、と。
自分の独自性が信じられなくなってくると
その時点で全てが白々しいものに思えてくる。
大変なおごりではあるけれど、そうなんだから仕方が無い。
他人が以前掘り起こした「たから」を
再び掘り起こしていい気になってるガキの気分。
俺が書く意味があんのか。
他にもうまいこと書いてるのはいっぱいあるぞ。
そいつらに任せとけばいいんじゃねぇか。
そうやってどんどん自分が無為なものに思えていくのだ。
…これって、大層なおごりだよな。
どんなもんでも、書いてみないとわかんないのにな。
皆で持ち寄ったおもちゃなどをあらかじめ砂場に埋めておいて
一斉に探し始めるのだ。
掘り当てたものが自分のものになるわけでもないのに
必死に辺りをほじくりかえしていたっけか。
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夏目漱石の夢十夜、第6夜だったか。
運慶が護国寺で仁王を彫っているのを見物する話がある。
その中で同じく見物していたオトコが
「あれは木の中に元々埋まっているのを彫り出しているのだ」
と評するのだが、世の中などそんなものなのかもしれない。
しかし、埋まっているものを最初に見つけ出す力というものは
並では身に付けられないとも思う。
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何かを書こうとしてエディタなどに向かっていると、
ある一点を境に文章を書く手が鈍ってくることがある。
まてよ
これはひょっとして誰かが以前どこかで同じようなことを
書いていたのではなかろうか
といった念に囚われるのだ。
俺はただ自分だけの発見をしたような気分になって
他の人があらかじめ発見してしまっていたものを
新たに掘り起こしているだけなのではなかろうか、と。
自分の独自性が信じられなくなってくると
その時点で全てが白々しいものに思えてくる。
大変なおごりではあるけれど、そうなんだから仕方が無い。
他人が以前掘り起こした「たから」を
再び掘り起こしていい気になってるガキの気分。
俺が書く意味があんのか。
他にもうまいこと書いてるのはいっぱいあるぞ。
そいつらに任せとけばいいんじゃねぇか。
そうやってどんどん自分が無為なものに思えていくのだ。
…これって、大層なおごりだよな。
どんなもんでも、書いてみないとわかんないのにな。
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