一緒に飲んでいたトモダチが彼女に呼び出されて逝ってしまったので
独り残された俺は終電をも乗り過ごし仄かに危機的状況。
最近の河原町界隈は治安も悪く
こんなところにフラフラ千鳥足で独り居ようもんなら
それは正に狼の群れに放たれた羊同然の扱いで
ていうか俺おおかみやん。
そこに運良く一本の電話が。
「しゃちょさん今何しよるん?」
あああああ、ケラさん(※1)!!!!!あああああ!!!!!
トモダチに打ち捨てられ
独り酔っ払って
千鳥足で
眩暈もして
終電も無くて
タク代も無くて
云々。
もうね
藁にもすがるとはこのことですね。
恥も外聞も無い。
「そいじゃさ、あちしんとこおいでよ泊めてあげるから」
マジですか、ケラさん?????あああああ!!!!!
フラフラになりながらケラさん宅に辿り着くだらしない俺27歳。
「とりあえず、この二つある枕の真中が境界線ね。
越えてきたら容赦無く家から叩き出すから(微笑)」
同じ布団に俺を招きつつそういうケラさん。
ええ、ええ、構いませんとも!
俺の鉄のような貞操観はそうカンタンに揺るぎませんとも!!
「まぁとりあえず喉渇いたでしょうこれ飲みなさいな」
手渡されたお茶をそりゃもう一気に飲み干しましたとも。
って、これお茶デスカ?
(場面暗転)
そのまま爆睡。朝まで爆睡。
念には念を、とはこのことでしょうね。
焼酎のお茶割(かなり濃い目)を一気させられたようで…。
まぁいい。
やけにすがすがしく目が覚めたので洗面所借りて顔を洗っていると
後ろから肩をとんとん、と叩く者あり。
あ、ケラさんおはようございます、昨日はすんません。
「実はね、しゃちょさん泊めたのには訳があってねえ」
…………。
……ヤケに「モノせびるときの女の声」出しますやんケラさん。
「いや、ね、先月の末にあちしの自転車、撤去されたみたいでさ
ちょっと保管所まで車で乗せてってくれるとありがたいんだけど
ていうかそのまま自転車乗っけてココまで連れて帰ってくれると
更に嬉しいかなぁ、なんて(微笑)」
やられた…。
いや、一宿一飯世話になったし(朝食に菓子パンをもらった)
それくらいいいかな、なんて思ったりなんかしちゃったりで。
とりあえず俺んちまで一緒に車取りに行って
久世にある自転車保管所まで行ってみたんですよ。
そしたらですね
職員:あー、えっと、その防犯登録の番号では届いてませんね
しかも、アナタが自転車を撤去されたとおっしゃられてる日付には
その地域の撤去を我々はしてないんですよ
つまり、盗難された可能性の方が強いってことですわ
ケラさん暫しボー然。
あ、そうですか、とこちらを向き直り
「あちしん家の最寄の交番まで、お願いできます?(微笑)」
ああもうどこまでもお供しやすぜ…。
というわけで今日一日ケラさんの足状態。
甘い囁きにゃ棘があるってことですか。
これからは安全に酔おう、と心に強く誓った一日。
--------------------------------------------------------
※1 「ケラさん」
祇園のクラブでバイトしている某R大生(20・♀)
初めて会ったときから何故か俺のことを「しゃちょさん」と呼ぶ。
「そう呼んでおいた方がオトコは伸びるもんなのよ(ケラ談)」
いや、ぜってーアレは単にオトコをノセてるだけだ。
独り残された俺は終電をも乗り過ごし仄かに危機的状況。
最近の河原町界隈は治安も悪く
こんなところにフラフラ千鳥足で独り居ようもんなら
それは正に狼の群れに放たれた羊同然の扱いで
ていうか俺おおかみやん。
そこに運良く一本の電話が。
「しゃちょさん今何しよるん?」
あああああ、ケラさん(※1)!!!!!あああああ!!!!!
トモダチに打ち捨てられ
独り酔っ払って
千鳥足で
眩暈もして
終電も無くて
タク代も無くて
云々。
もうね
藁にもすがるとはこのことですね。
恥も外聞も無い。
「そいじゃさ、あちしんとこおいでよ泊めてあげるから」
マジですか、ケラさん?????あああああ!!!!!
フラフラになりながらケラさん宅に辿り着くだらしない俺27歳。
「とりあえず、この二つある枕の真中が境界線ね。
越えてきたら容赦無く家から叩き出すから(微笑)」
同じ布団に俺を招きつつそういうケラさん。
ええ、ええ、構いませんとも!
俺の鉄のような貞操観はそうカンタンに揺るぎませんとも!!
「まぁとりあえず喉渇いたでしょうこれ飲みなさいな」
手渡されたお茶をそりゃもう一気に飲み干しましたとも。
って、これお茶デスカ?
(場面暗転)
そのまま爆睡。朝まで爆睡。
念には念を、とはこのことでしょうね。
焼酎のお茶割(かなり濃い目)を一気させられたようで…。
まぁいい。
やけにすがすがしく目が覚めたので洗面所借りて顔を洗っていると
後ろから肩をとんとん、と叩く者あり。
あ、ケラさんおはようございます、昨日はすんません。
「実はね、しゃちょさん泊めたのには訳があってねえ」
…………。
……ヤケに「モノせびるときの女の声」出しますやんケラさん。
「いや、ね、先月の末にあちしの自転車、撤去されたみたいでさ
ちょっと保管所まで車で乗せてってくれるとありがたいんだけど
ていうかそのまま自転車乗っけてココまで連れて帰ってくれると
更に嬉しいかなぁ、なんて(微笑)」
やられた…。
いや、一宿一飯世話になったし(朝食に菓子パンをもらった)
それくらいいいかな、なんて思ったりなんかしちゃったりで。
とりあえず俺んちまで一緒に車取りに行って
久世にある自転車保管所まで行ってみたんですよ。
そしたらですね
職員:あー、えっと、その防犯登録の番号では届いてませんね
しかも、アナタが自転車を撤去されたとおっしゃられてる日付には
その地域の撤去を我々はしてないんですよ
つまり、盗難された可能性の方が強いってことですわ
ケラさん暫しボー然。
あ、そうですか、とこちらを向き直り
「あちしん家の最寄の交番まで、お願いできます?(微笑)」
ああもうどこまでもお供しやすぜ…。
というわけで今日一日ケラさんの足状態。
甘い囁きにゃ棘があるってことですか。
これからは安全に酔おう、と心に強く誓った一日。
--------------------------------------------------------
※1 「ケラさん」
祇園のクラブでバイトしている某R大生(20・♀)
初めて会ったときから何故か俺のことを「しゃちょさん」と呼ぶ。
「そう呼んでおいた方がオトコは伸びるもんなのよ(ケラ談)」
いや、ぜってーアレは単にオトコをノセてるだけだ。
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